いとうまんぼう

シナリオライター。1990年、テレビアニメ「勇者エクスカイザー」でデビュー。2002年、ドラマ「夏の約束」で文化庁芸術祭優秀賞、日本民間放送連盟賞優秀賞受賞。主な作品に、映画「BAD GUY BEACH」('95)「スプリガン」('98)「マンホール」('01)「太陽が弾ける日」('07)、Vシネマ「俺達は天使(カタギ)じゃない」('93)「現金狩り最終出口」('99)「平成清水一家」('07)、舞台「葦の会」('12)など。

作家篇 ──いとうまんぼう集──

 迷 子

姿を消した黒猫を懸命に探し歩く「ぼく」の心情を、随筆風に描いた表題作ほか、シナリオライターの著者がときにユーモラスに、ときに風刺を込めて物語る小品18篇。すべて2,000文字ぴったりの職人芸。


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マガジン収録作品

 ウルトラマンといっしょ

 (Vol.16)

大久保駅から総武線に乗ったウルトラマンは、代々木、千駄ヶ谷、信濃町と過ぎて水道橋駅で降りると、裏通りにある昔ながらの喫茶店に入る。やがてそこに、あの亡霊怪獣シーボーズが現れる。


 何フェチ?

 (Vol.15)

「アタシさァ、アキレス腱フェチなの」混んでいる電車内で、それぞれのフェチについてしゃべり始める三人組の女のコたち。上目づかいに聞いている「ぼく」の妄想は、どんどん膨らんでいく!


 お星様になるんやで

 (Vol.14)

アニマル柄の衣装で誘うオバチャン、映画館で犯人をばらして叫ぶオッチャン、公園で拙いクレヨン画を売るお婆ちゃん。──大阪・新世界の猥雑であったかい空気を再現して描かれる青春回顧譚。


 欠伸とささやき

 (Vol.13)

肺ガン検査に病院を訪れた田端は、待合室の向かいに座る老人の欠伸に、不安を掻き立てられる。そして、老人をたしなめる隣の老女のささやきに、神経を逆撫でされて──。田端の運命はいかに?


 生理警察クチャクチャ課

 (Vol.12)

物を食べる時にクチャクチャやる音。この不愉快な音を取り締まるのが生理警察クチャクチャ課だ。検挙率トップの敏腕刑事、田中はいつでもどこでも聞き耳を立て、全力で職務に邁進する!


 フレンチトーストが

 できるまで

 (Vol.11)

飲んだ勢いで盛り上がり、互いのパートナーを交換して一夜を過ごすことになった2組のカップル。朝、目覚めると、健也の彼女である梨花が「ぼく」に、アッケラカンとフレンチトーストを作っていた。


 きみのコントラバス

 (Vol.10)

若く美しい愛人に溺れる中年男の悲哀をユーモアたっぷりに描く。妻とともに訪れたオペラ『アイーダ』の劇場で、「私」の目は舞台ではなくオーケストラピットのコントラバス奏者に注がれる。


 後ろの花子さん

 (Vol.9)

振り返ると、なぜかそこにいる女──バスの座席、飛行機の座席、エレベーターの中、函館の朝市の行列──。もはや偶然とは思えない女の出現に、ついに「私」は高熱で倒れてしまう。


 永遠の恋人

 (Vol.8)

〝眠れる美女〟というべき完璧な仕上がり。精巧に作られた美しい女性の人形を巡って、制作者である彼とたまたま訪れた宅配便の男が争う。童話をモチーフに描かれるファンタジック・ストーリー。


 頭富士 (Vol.7)


 カレーライス (Vol.6)


 大迷惑列車 (Vol.5)


 全均連

 (Vol.4)

あらゆる物事は均等に分かち合わねばならぬ──。人類の幸福のため〝絶対完全均等思想〟を掲げる「全均連」。その暴走していくさまをダイナミックに描き出す二千字のスペクタクル。


 うさぎ (Vol.3)


 猫と暮らせば

 (Vol.2)

同棲中の彼女が貰ってきた猫の小春。猫の苦手だった「ぼく」は、しかし世話をするうちに無類の猫好きになり、今では猫可愛がりして彼女が嫉妬するほど、なのである。


 定休日

 (Vol.1)

〝定休日〟に翻弄される主人公をユーモラスに綴るエッセイ風の一篇。せっかく訪れた評判のレストランが定休日で……「ぼく」の彼女は機嫌を損ねてしまう。


 勝手にしやがれ

 (創刊準備号)

名画座に通う「ぼく」は、ふらりと立ち寄った喫茶店のウェイトレスに一目惚れ。けれど気持ちは空回りするばかり、そして……映画のようなデタラメな妄想が走り出す。


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