わたなべ けんいち
1976年、千葉県生まれ神奈川県育ち。神奈川大学卒業。イメージフォーラム付属映像研究所で映像を学び、シナリオ・センターでシナリオを学び、カメラマン、工場作業員など様々な職を経て、小説を書き始める。映像作品(脚本・監督)に、『生まれろ!』(学生映像コンテスト BACA-JA ベストセレクション選出)、『外道の顛末』、『キャッチボールの憂鬱』、『短編集 ラリってんじゃねえ!』など。劇場公開ドキュメンタリー映画『ニッポンの、みせものやさん』撮影担当。
月夜 (テーマ篇「創」)
湖の色
(Vol.15)
カクテルベースの日本酒=MOTOZAKEとのコラボレーション作品@島根・松江篇。窓から宍道湖を一望するホテルのバーで、孤独な大学生の西一樹は、まるで湖の色のようなカクテルと出会う。
霧
(Vol.14)
濃霧の山道にふっと現れた一軒の茶屋に、西はバイクを停めて立ち寄った。夫のいる女との不倫、その渦中にいる西の行く手を阻むような霧。そして、茶屋では昔話に出てきそうな老婆が現れる。
8ミリ (Vol.13)
ポテト探偵
(Vol.12)
千葉のとある中規模都市で探偵事務所を構える井守守(いもりまもる)は、大のいも好きだ。通称ポテト探偵と呼ばれる彼は、美人の秘書兼助手のバイトとともに、今日も地元で大活躍!?
海岸で石を拾う
(Vol.9)
近所の海岸で拾った拳くらいの大きさの白い石。ただの石ころなのか、それとも、まったく別の何かなのか──? 子供のころから海で育った「僕」の、石を巡るささやかな話。
雷雨の列車内
(Vol.8)
雷の直撃によって停車した列車内で、出発を待つ乗客たち。伊勢参りに向かう途中の「僕」は、同僚であるガールフレンドとともに、窓の外の溢れそうな川を見つめ続ける。
アップルパイ (Vol.7)
私はしゃっくりを愛する
(Vol.5)
しゃっくりが七年間、止まらない。いろいろと不便を感じていた「私」は、けれどその場の雰囲気を和ませてくれたりもするしゃっくりを、愛おしく思うようになっていた──。
イボ痔刑事
(Vol.4)
窃盗犯を追いかける若い刑事を襲う、お尻の痛み。先輩刑事に怒鳴られながら必死に走る彼が固める決意とは──? なんとなく刑事になった男の日常に潜む、だれにもいえない憂鬱。
歯が抜ける
(Vol.3)
教室で居眠りから覚めると、口の中に異物感がある。それが何かを確かめることもできず、「僕」は暴力教師を前に為すすべもない。漠然とした日常に潜む不安の、突然の噴出!
ある資産家の
病弱な息子について
(Vol.2)
さびれた温泉街と、きらきらと輝く湖。ある資産家が病弱な息子のために掘ったという温泉街で、大学生の「僕」は十七歳で死んだその息子について思いを馳せる。
覗く小人
(Vol.1)
「穴を見張って頂きたい」と、電話の向こうの男に頼まれた田村は、自分がどこにいるのかもわからず、言われるまま穴を見つづける。果たしてここはどこで、田村はどうすべきなのか?
パンを売る主婦 (創刊準備号)