たまる まさとも
1987年、愛媛県生まれ。2011年12月、光文社文庫『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。2012年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。以降、若手ショートショート作家を代表するひとりとして、ショートショートの復興に尽力している。星新一の後継者である江坂遊の弟子。
水玉
(Vol.14)
お気に入りの水玉模様のスカート。ある日、アイロンをかけていると、ふいに水玉が動き出した。小さくなったり大きくなったり、互いにぶつかり合って、ぶつかった同士がくっついたり──。
浮島
(Vol.11)
いつもシャワーだけですませる「おれ」は、その日、久しぶりに湯船につかろうと浴槽の蓋をあける。すると、長いこと張ったままだった水からは異臭が漂い、緑がかった水面には小さな島が浮いていた──。
媚酒
(Vol.10)
女性を口説くのに最適なお酒というのは、ないものでしょうか──青年が注文すると、バーテンダーは淡いブルーの美しいお酒を出す。カクテルベースの日本酒=MOTOZAKEとのコラボレーション作品@高知篇。
あの人の手
(Vol.7)
あの人が亡くなって、もうすぐ一年。ぎゅっとにぎりしめてくれる温かい手が好きだった。そして、思い出の雑貨屋で見つけた二本組のフォークに、「私」はある特別な思いを抱く。
作家の庭仕事 (Vol.6)
泡
(Vol.5)
山奥から、都市部から、地球上のあらゆる場所から湧き上がる謎の泡。やがてその意外な成分が明らかになると、人々は手に入れようと熱狂し、もはや誰にも止められなくなる。
じいちゃん
(Vol.4)
亡くなってからも、生前と変わらぬ様子で家にいるじいちゃん。生きているものと死んでいるものがごく自然に共存する世界を、「ぼく」の視点で語る心温まる物語。
ある海岸
(Vol.3)
海岸に輪になって踊り狂う一団が現れた。以来、村では説明のつかない奇蹟的な出来事がたびたび起こるようになる。アンリ・マティスの「ダンス」をモチーフに紡ぐ、ことばとイメージの土俗的世界。